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クワの木 

そのクワの木は気づけば毎年5月6月あたりに実をたわわにつけていた。
りおとよく行く近所の空き地、通称「原っぱ」だ。

りおはいつの間にかクワの実のことを覚えていて、
木の下に落ちた実を拾いに行き、でも実際には拾わず
「拾って食べさせてちょうだい」と言うように私を見るのだった。
今年の5月あたりもそうやってキレイな実を拾って食べさせた。

夏の少し前のその時期から、今のような真夏の時期、そして残暑の時期まで
その木だけが木陰を提供してくれていた。
というのも原っぱには目立った木はなく、
クワの木だけが唯一大きな影を作っていたのだ。

その木が作る影に隠れて、りおと遊んだ。

その木が今日、なくなっていた。
バッサリと切られて株だけになっていた。
衝撃だった。

来年もクワの実がなれば、また拾おうねとりおに言っていたのに。
木陰もなくなった。

なんということをするのだ、と怒りがこみ上げたが、
少し前に、このクワの木の枝が少し根元から割けて
落ちてしまっているのを見かけたのだ。
その状態を見たときにも「意外にも年をとっていたのか」とショックだった。
でも、その枝だけを取り除けばよいと考えていたので
まさか根こそぎ・・・というか切り株を残して全部を切ってしまうとは
思ってもいなかったのだ。

ショックだ。
そしてショックをこんなに受ける自分を思うと
木の存在というのは案外大きいものなのだと気が付く。

これからは原っぱに行ってもクワの木がくれていた木陰に入ることはできない。
来年、りおはクワの実がないことを不満に思うだろう。

残念だ。
ありがとう。クワの木。
私とりおにとってきみは本当に大切な存在だったんだ。
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[ 2015/08/11 22:00 ] 愛犬りおとの日々 | トラックバック(-) | CM(0)

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