
多くの人が持つ、
ドーベルマンのイメージは、
映画やCMで見るような、
獰猛で攻撃的というものではないでしょうか。
今でも一部の国で、軍用犬や警察犬として働いているのは事実です。
でも、こういうイメージが強調されるのは、大変なげかわしいことです。
上の写真、獰猛に見えますか?見えませんよね。
実は、穏やかで賢く、気品があり、堂々とした風格の犬種。
家庭犬として、ゴールデンレトリバーやラブラドルレトリバーに
まったくひけをとらない犬種なのです。
どんな犬も育て方、訓練で、性格は変わってきます。
無論、もともと持ち合わせている肉体的な強靭さはありますから
痛みに強い、骨が太く頑丈、という特徴はあります。
運動は豊富に。
運動に関しては、近所で見かけるゴールデンレトリバーなども同じこと。
なので、
ドーベルマンを家族に迎えるのが特に難しいというわけではないのです。
―・-・―・-・―・-・―・-・ルーツ―・-・―・-・―・-・―・-・原産国はドイツ。Karl F. L. Dobermann が初めて作出した犬種です。
どのように作出したのでしょう。
新しい犬種は、さまざまな犬種を掛け合わせて作るんですが、
ドーベルマンは、以下の犬種のうち、少なくとも4種類をかけあわせて
作出されたと考えられています。
Pinscher スタンダードピンシャー

Beauceron ビューセロン

Rottweiler ロットワイラー

Thuringian Shepherd Dog チューリンゲン・シェパード

Greyhound グレイハウンド

Great Dane グレート・デン

Weimaraner ワイマラナー

German Shorthaired Pointer ジャーマン・ショートヘアード・ポインター

Manchester Terrier マンチェスター・テリア

そして、Old German Shepherd Dog オールド・ジャーマン・シェパード(絶滅種)
容姿が似たもの、気質が似たもの、いろんな要素が絡み合って
ドーベルマンができたんですね。
ちなみに
ドーベルマンは正式には
Dobermann Pinscher ドーベルマン・ピンシャーといいます。
最初の写真、ピンシャーのピンシャーがついています。
でも最近は、ピンシャーの要素から離れていることから
単に
ドーベルマンと呼ぶ傾向にあるようです。
またDobe(ドーブ)やDobie(ドービー)という愛称で親しまれています。
―・-・―・-・―・-・―・-・サイズ―・-・―・-・―・-・―・-・ドーベルマンをつれていると「大きい」という声が聞こえてきます。
でも、
ドーベルマンは
超大型 Giant
大型 Large
中型 Medium
小型 Small
とあるうち、実は 中型Medium に分類されます。

じゃあ、大型や超大型はたとえばどのような犬種があるか。
上にあげた犬種から人と写っている写真で紹介すると、たとえば
大型はワイマラナー

そして超大型はグレート・デン

となります。
―・-・―・-・―・-・ブリーディングへの警告―・-・―・-・―・-・―・-・さて、
ドーベルマンの色には、ブラック&タン以外に
レッド&タン

ブルー

フォーン(淡黄褐色たんこう かっしょく)

があります。
これらはブリードが認められている色です。
ところが、問題は白い
ドーベルマン。
海外のサイトでは、白い
ドーベルマンを買い求めることをやめるよう
呼びかけるものを見かけます。
珍しいからと買い求めると、そのブリーディングに拍車がかかります。
白はいわゆるアルビノで、突然変異で生まれています。

生きるうえで弱い側面があるので、この種類が氾濫すると
ドーベルマンや他の犬たちも生命力が弱い犬になる恐れがあります。
―・-・―・-・―・-・ドッキングとクロッピングへの警告―・-・―・-・―・-・―・我が家で暮らした
ドーベルマンは、
たれ耳 でした。
それは耳を切らなかったから。案外知られていないのですが、
ほかにもボクサーやピンシャーなどは
耳を切って立たせている犬種です。
これを
クロッピングといいます。
今は、クロッピングを法律で禁じる国が増えています。動物愛護の精神から、そのような流れなのですが
日本は出遅れていて、いまだに耳を切る人が多いです。
そして、尻尾。
我が家の
ドーベルマンは、尻尾を切った状態でやってきました。
こちらも切っているから短いのであって
もともとは長い尻尾です。

プードルやボクサー、グレード・デンなどもそうです。
尻尾を切ることを
ドッキングといいます。
なぜ耳や尻尾を切るのでしょうか。もともと使役犬として活躍した犬種は、
作業がしやすいように、耳や尻尾を切っていました。
ドーベルマンの場合は、戦いの弱点となる尻尾と耳を切ったのです。
つまり、
戦うわけじゃないのに切る必要などないのです。
耳や尻尾を切られる犬は、皆切る必要がないのに
子犬のころに激痛を味あわされているわけです。
考えてみたら残酷ですよね。
耳を切ったばかりの子犬を動物病院で見たことがありますが
痛みに震えてケージの隅に縮こまっている様子は痛々しいものでした。日本では残念ながら、耳はたれ耳のままでも
尻尾は切られた状態で店頭に並ぶことがほとんど。
オーナーが求める段階で「切らないでください」と伝えなければ
ブリーダーのほとんどが尻尾は切ってしまいます。
なので、せめてたれ耳はそのままにしてあげたいです。
私は個人的に、たれ耳の
ドーベルマンを愛しています。
たれ耳でも十分美しいし、それが本来の姿です。かっこいいから、見た目がよいから、という理由で
不必要に痛みを与えることは避けたいものです。
そして、クロッピングやドッキングを避ける飼い主さんが増えることを祈っています。
In memory of 新太郎
I love you so much.
I will cherish my days with you as long as I live.
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アルビノのみ言及されていますが、フォーンやブルー、イザベラといったカラーも遺伝子疾患の確率が高いカラ―です。
珍しいからといって飛び付くと大変です。
ぷるぷるさん、ご指摘ありがとうございます。本当にそうだとするならば、珍しいというだけで飛びつくのは良くないですし、そもそも繁殖させることにも問題はありですね。ティーカッププードルみたいに小さいのが珍しいしかわいいし、他人に見せたいという虚栄心だけで飼う人、売る側にも本当に警告を発したいです。
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